第21回「ふるさとを歌う」 西岡恵子 氏
歌は唄うことで⼈の⼼に伝わります。朗読と⼀緒です。
[歌手]西岡 恵子 氏
平成27年3月20日午後6時30分からサルーテで第21回『楽しく真剣!「サルーテ文化講座」』が開催されました。司会の角秋勝治氏の講師紹介を経て、歌手・西岡恵子氏の講演がスタート。出足は、小学校に出向いての歌唱指導の話から。鳥取県出身の偉人3名のお話の間に、西岡さんの伴奏に合わせて童謡・唱歌を全員で唄いました。多くの聴講者の前で、熱く・にこやかにお話をされました。参加者は86名。
講師の西岡 恵子 氏
着物姿で登場した西岡恵子さん、86名の参加者を前に、講演の幕が開いた。
昨日の小学校の卒業式まで、8校の学校を1日3校、小学生の歌唱指導をしていた。
特に、2月・3月の厳寒の中、体育館で練習。身体が冷える。一般の1.5倍のヒートテックを購入し身にまとっていましたが、冷えた身体を温泉に浸って温めるのが私の毎日でした。本当に鳥取は温泉が多く、埼玉県出身の私としては羨ましいです。
鳥取は「童謡・唱歌」のふる里です。明治にヨーロッパから移入された音楽を、国民のものにするため、先駆的な活動を行ったのが郷土出身の、田村虎蔵、永井幸次、岡野貞一でした。何故、同時代に3人の偉人が出たのか。そのキーパーソンは河原町出身で東京音楽学校の校長であった村岡範為馳の講演を聞いたことです。村岡は「音楽は人を感動させるものであり、教育上とても重要なものである」と述べ、この言葉に心を動かされからです。
わらべ館は平成7年7月7日に開館。今年は、わらべ館20周年です。最初は、ボランティアでCDや楽譜の整理。
平成14年からは「移動わらべ館コンサート」が始まりました。初めてなのに名古屋「東海鳥取県友会」に。また、白寿園(鳥取市三津)に行った時は、ここです!と広いお部屋に案内され、お仏壇の前で歌いました。仏様にも参加していただけて、ありがたかったです。
思い出に残っているのは、平成16年1月30日「わらべ館」から生放送したNHKの「ラジオ深夜便」。
原田彰先生と一緒に、入江アナウンサーと対談しながらの放送でした。番組も終わりに近づいた時に、「ここから先は葉書を中心に進みますので、もうお聞きすることもありませんからゆっくりとしていてください。」ということで、緊張と眠気から気を抜いていたら、突然「西岡さんは、お小さい時は、どんなお子さんでしたか?」との質問があって、動転した私は「とても活発な子で、男の子と冒険や探検ごっこをするアウトドアな子供でした。」と、答えたら「今の西岡さんからは想像できませんね!」というアナウンサーの言葉に嬉しくなって「はい!そうだと思います。」と、堂々と全国に向かって言ってしまいました。放送終了後、娘から「最後にやっちゃいましたね」と、メールが届きました。
現代の音楽教育の基盤を作ってくださった先生の中で、田村先生、岡野先生、永井先生が果たした功績は多大だと思います。このことを子供たちに伝えて、自分の故郷を愛し、歌うことの好きな子供に育って欲しいと、この土地に住む一人の大人として願っています。
「⼤⿊様」に出て来る⽩兎海岸、景⾊がいいですネ。30年前に初めて⾒ました⾃宅に近いので時々訪ねます。
⽩寿園を訪問、お仏壇の前で唄いました。仏様にも参加して頂けて、本当にありがたかったです。
「⼤⿊様」の4番の歌詞がいいですネ。おおくにぬしのみこととて、・・・よのひとをたすけなされたかみさまよ。
⼼を開いて、歌を唄いながら遊ぶ。遊びの中に「わらべうた」を、⼦供達に伝えて⾏きたい。
⼦供達に歌の⼤切さを伝え、郷⼟を愛し、唄う事が⼤好きな⼦供に育って欲しい。私の願いです。
■⻄岡 恵⼦ 氏のプロフィール
- 武蔵野音楽大学音楽学部声楽学科専攻を卒業。平成7年誕生の「わらべ館」で、当初から童謡コンサートなどの公演を開く。
- 現在はわらべ館で童謡唱歌の推進員として、県内外で公演するほか、オルガンの演奏をしながら唱歌教室の講師を務める。歌唱指導はすでに10年を超え、8校の小学校でも続いている。また、「わらべうた遊び」を、親子に伝える事に力を注ぐ。
- 音楽と朗読のコンサートでは、『くるみ割り人形』『動物の謝肉祭』『ピーターとおおかみ』『セロ弾きのゴーシュ』『花咲山』『ポラーノの広場』『となりのトトロ』『金子みすゞの世界』『神話・八上比売と大穴牟遅命』などに出演。音楽会の司会者としても活躍している。
- 「童謡唱歌のふるさと鳥取」実行委員。いわみコーラス指揮者。こ-らす萌の会、合唱団しかの、岡野貞一記念合唱団副指揮者。プレヴイスキンレダーリートアンサンブル、お話グループ「自うさぎの会」所属。
過去の文化講座
平成27年度
- 第21回「ふるさとを歌う」 西岡恵子 氏
- 第22回「15歳からの陶芸」 河本賢治 氏
- 第23回「演劇 –映像と見せ物の時代の中で–」中島諒人 氏
- 第24回「抽象と想い」 藤原晴彦 氏
- 第25回「自然によりそって」 森田しのぶ 氏
平成26年度
平成25年度
- 第11回「ふるさとの環境運動」土井淑平 氏
- 第12回「人形に思いをこめて」安倍朱美 氏
- 第13回「『源氏物語』の魅力」中永廣樹 氏
- 第14回「自然はおもしろい」清末忠人 氏
- 第15回「童心を描く」 佐藤真菜 氏